ダサいマジシャンになっていないか

MAGIC SECRETS専属の、ギミック開発クリーター集団。

「R-bn(リボーン)」の話をしよう。

2010年、ひとりの革職人がMAGIC SECRETSに加わった。

マジックなんて、テレビでしか見たことない素人だった。

僕は彼女に、多くのマジックを見せた。

本当にたくさん。

なにを演じても、彼女は驚いてくれた。

僕は調子に乗って、さらにマジックを演じてしまう。

まぁいいか、客じゃねぇし。

と、思いながら。

そして、僕はヒンバーワレットを取り出した。

当時、好んで使用していた、Jerry O’connellのヒンバーだ。

彼女は、変わらず驚いていた。

演技が終わった後、彼女は言った。

「それ、見せて」

僕はいつものようにギャグで交わす。

準備しておいた真っ白の手袋をはめ、

「こちら、ご観賞のみでしたら可能となっております。大変高価な製品となっておりますため、品物にお手を触れませんよう十分ご注意ください。」

と、店員っぽく、開いてみせた。

それすらも笑う彼女は、実に楽しませがいがある。

しかし次の瞬間、彼女はとんでもないことを口にした。

「なんか・・・変なデザインだね。」

僕の目の前の空気が凍った。

それは・・・それだけは、業界ではご法度なのだ。

マジシャンは皆、

「どこか見た目がおかしい」

と思いながら、

「マジックが出来るからしょうがない」

という理由で、ギミック財布を使っている。

でも、違和感は最初だけ。

使ってると、慣れるんだな、これが。

見た目の悪さが気にならなくなってくるんです。

それを、世界はなんと呼んだか?

「バグっている状態」

マジシャンを長く続ければ続けるほど、他人のセンスと少しずつズレていく。

自らがダサくなっていく。

ファッションも、感性も、すべて。

マジック用品として販売されているギミックは、どれもこれもダサすぎるから。

あれを「普通」だと思える精神は、どう考えても普通ではない。

誰がそんなデザインを好むのか、って話。

それなら、僕たちが。

最高にセンスがよくて、

見た目の怪しさが皆無な、

カッコいいギミックを作ろう。

業界で、それがスタンダードになるようなやつ。

「あれを買うなら、MAGIC SECRETS製しかない」ってなるやつ。

これが、「R-bn」発足の瞬間だった。

2015年7月、R-bnは解散。

生み出した製品は、3種類。

たったの、3種類。

ひとつひとつの製品に膨大な開発日数がかかった結果だと言える。

それらは今後、日本中を流通することは決してないだろう。

だから言ったでしょう、2012年に。

R-bnブランドは、10年後、伝説になるって。

まさかこんな形で伝説になるなんて、そんなプランは片隅にもなかったよ。

それでは、またひとつご紹介しましょう。

EAの新色、【茶色バージョン】のお披露目だ。

マジック用の革製品は、猫も杓子も黒ばかり。

だからこそ怪しまれない色が、茶色です。

遊び心が分かるファショナブルな方に、是非お手にとって頂きたい。

http://magic-secrets.net/v/l/c/

 

あまりの在庫の少なさに、僕は茶色を手に入れることは諦めた。

一人でも多くの方に、EAの素晴らしさを知ってもらいたいから。

この先の長い人生で、僕はいつか出会えるだろうか。

茶色を使っているマジシャンに。

いつか目の前で見ることが出来るだろうか。

息を呑むほど美しい、その華麗な消失現象を。

海田

 


商品の売上は、MAGIC SECRETSの復興に利用させていただく予定です。ご支援頂ければ有難く存じます。


朝晩のそよ風に秋が見えてきましたね。お風邪など召しませんようご自愛ください。

カテゴリー: お知らせ タグ: , , , , , , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です