こんにちは、海田です。
今日は少し深入りしながら、クロースアップマジック(お客さんの目の前で見せる手品)についてお話したいと思います。
まずはマジックを演じる側になるからには絶対に知っておかなければならないマジック界の掟 “サーストンの三原則” について。
もしかしたら聞いたことくらいあるかもしれませんが、とても大事なことなので第一にお話します。
たった3つのルール

1.種明かしをしない
種明かしは客を喜ばせません。
マジックを見せた時は「どうやったんだろう?」とタネを知りたがるお客さんも、種明かしをされると失望してしまいます。
それは、マジックのタネが驚くほどバカバカしいために起こります。
実は、マジックのタネというのは、恐ろしいほど単純で、一度知ってしまうと「なぜこんな子供だましなトリックに騙されたんだろう・・・」と思ってしまうほどつまらないものです。
マジックを見て「すげー!タネ知りたい!」と思う人は多いのですが、タネを知らされて「へぇ~すごいな~!」と思う人は滅多にいなく、「しょーもねーな」と思う人のほうが圧倒的に多いのです。
にもかかわらず、ほぼ全てのお客さんはマジックを見終わった後、しつこく種明かしを要求します。

そこで要求されるがままに種明かしをしてしまうと、上記のような状況を招き、お客さんの夢を崩してしまうため、よくありません。
マジックを見終わった後のミステリー性がお客さんを喜ばせるのであって、種明かしがお客さんを喜ばせるわけではないのです。
種明かしをせず、夢は与えたままの状態にしておくようにしましょう。
小さい頃のことを思い出してください。小学生よりもっともっと幼い幼稚園・保育園時代を。
クリスマスの日の夜にサンタさんがプレゼントを持ってきてくれるんですよ。
僕は毎年楽しみにしていたのを、今でもハッキリ覚えています。

でも・・・ですよ。
そんな幼い時期からサンタさんの正体を種明かしされたら、絶対に信じたくないし、夢がなさすぎて悲しくなると思うんです。
マジシャンは、夢を壊してはいけない職業です。
ですから、どんなに可愛い子ちゃんに種明かしをせがまれても、完全に拒否ってください。
2.演技の前にこれから起こることを言わない
演技の最中に

ちょっと待って!
とか

最初に僕にシャッフルさせてよ。
と突っ込まれることは多々あります。
タネを見破ろう見破ろう見破ろうと思いながらマジックを見る多くの日本人を相手にするわけですから当然です。
それなのに演技の前にこれから起こることを先に話したら、お客さんは余計にタネを見破ろうとすると思いませんか?

お客さんはあなたに騙されたくないのです。
あなたにマジックを成功してほしくないのです。
だ・か・ら、いちいち「シャッフルさせて」だの「ちょっと待って」だの「今○○したんじゃないの?」・・・と、演技の途中でもお構いなしにツッコんでくるわけです。
そうならないためにも、演技の前にこれから起こること(今からするマジックの内容)を絶対に言わないでください。

マジックを見せる前から「絶対に見破ってやる!」と思われたら、あなたが演じるマジックはそこで終わってしまいます。
マジックは純粋に視覚を楽しむためのものなのに、“タネを見破るためのマジック”になってしまいます。
こうなってしまっては、お客さんはあなたの思うように驚いてくれません。
マジックが成功しても、自分がタネを見破ることが出来なかったため、“純粋に”悔しがると思います。
“マジックは不意打ちで起こる奇跡”を楽しむものだということを忘れないでください。
家族でも友人でも恋人でも、急にサプライズでプレゼントされたら、うれしくないですか?

サプライズパーティでもサプライズ誕生日でもサプライズケーキでもなんでも、予期してない“良いこと”が起こると、人間みんな素直に「うれしい」と感じると思います。
マジックもそれと同じで、相手の心が不用意な時にサラリと演じてこそ、最大の効果をあげることができるのです。
3.同じ人に続けて同じマジックを見せない
「2.演技の前にこれから起こることを言わない」と同じようなものなので、だいたい想像はつくと思います。
ただ、“同じ人に続けて同じマジック”というところが微妙にポイントで、“続けて”じゃなければ、数日後、同じ人に同じマジックを見せても構いません。
ちょっと混乱したかもしれませんね(笑)。
わかりやすく説明しましょう。
マジックはエンターテイメントであることはもう言いました。
そのため(タネを粗探しされないために)、演技の前にこれから起こることを言ってはならないことも言いました。
同じ人に続けてマジックを演じてしまうと、そのお客さんは同じマジックを2回連続で見ることになります。
つまり、1回目はトリックにだまされても、2回目以降は“どこにタネがあるのか探りながら見る”のです。

これではエンターテイメントとしてのマジックが失われてしまいます。
お客さんに楽しんでもらうのがマジックですから、タネの暴露ゲームになってしまっては本来の趣旨が変わってくるわけです。
ただ、続けて見せないのであれば、次回(数日後に)同じマジックを同じ人に見せても問題ありません。
(ただし、その人がそのマジックを忘れた頃じゃないといけませんが)
ようは、“マジックがエンターテイメントであれば良い”のです。
種明かしだけの動画は、本当にマジシャンを育てるか?

以上が、“サーストンの3原則” になります。
- 種明かしをしない
- 演技の前にこれから起こることを言わない
- 同じ人に続けて同じマジックを見せない
たった3つ。
これだけでも、少し具体的に説明しようとすると、こんな風に長くなってしまいます。
YouTubeにはたくさんの種明かし動画がありますが、大事なことを伝えきれていないものばかりだということがおわかりいただけることでしょう。
マジックをゼロから覚えるということは、演じるにあたっての幅広い知識やノウハウが必要になってきます。
“絶対に”です。
テクニックだけを極めても、実践で客の心理を操ることはできません。
僕の元には、

プロマジシャンのDVDを買ったけど失敗しました。
というメールがよく届くのですが、それはただ“マジックの種明かし”や“丁寧な解説”、“演技のポイント”だけを徹底解説しているために起こります。
“すでに”お客さん(お金を払ってマジックを見てくれる人)がいるプロマジシャンは、丁寧な解説や演じ方などを伝えさえすれば、誰にでもマジックができると勘違いしているのです。
(このことは、とても大事なので、また別の機会にお伝えします)
あとね、最近ではこんな質問も。

この人のYouTube動画で学びましたが、海田さんのとはやり方が違います。どちらを信じればいいですか?
その辺の素人が解説したYouTube種明かし動画なんて信じなくていいですよ。
技法の名前もやり方も全部間違っているものが多いですから。
どれだけ登録者数が多くても、です。

最初にも言いましたが、僕は英語のマジックの書籍や、きちんとしたところから発売されている海外DVD・ダウンロード動画からしかマジックを学びません。
日本人で、僕以上に正しい知識・技法の歴史・クレジット情報・上手な演じ方を伝えられる発信者は、誰ひとりとしていません。
そのことを知っていれば、誰に付いて行くべきかは明確だと思います。
- どういうマジックをすれば客は驚いてくれるのか?
- 「タネ教えて」と言われた時の交わし方は?
- お客さんを楽しませるための話術や演出は?
など、マジック初心者の方に伝えなければならないことはバカみたいにたくさんあります。
それらを身につけて初めて、真に“マジックができるようになった”と言えるのです。
もっといろいろお話したいことはあるのですが、今回の内容×5長くなりそうなので、この辺にしておきます。
では、また次回。
海田

マジックショップ「MAGIC SECRETS」の店長。
運営理念は、「“本当に使える”マジックしか販売しない。」
自らの商品をきっかけに初心者からプロマジシャンになった顧客が大勢いる。
小学生から高齢者まで、本気でマジックを学びたい方を徹底的にサポート中。
他では買えない価値のある商品を生み出すことに全力を注いでいる。




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