こんにちは、海田です。
ホントはメルマガを書くつもりはなかったのですが、誰からもバレンタインのチョコをもらえなかったストレスで気づいたら筆を執っていました。
というのはもちろん冗談(でありたい)ですが、最近のことを少しだけ記しておこうと思います。
まず、自社製品を盛大にディスるのですが、Escape Artistって本当に作るのが面倒くさいということです。
作る度に、職人が頭を抱えています。
EAは、2013年の発売開始からこれまで2~3回の大量生産をしてきました。
おかげさまで再販してもすぐに完売し、売られていた時間は限りなく短かったと思います。
じつは、普段使っているバイシクル、数年単位で少しだけカードケースの大きさが変わっているのをご存知でしたか?
しかも紙の材質もリサイクルマークが付いたり付かなかったりで、様々な「見えない変化」があります。
大きさで変化してるのは、約1ミリ程度なんですが、1ミリも変わってしまうと、ギミックが動作しなくなるからまた革のケースを新しく設計し直さなければならない。
まぁひとことで言うと、ものすごい手間なんです。
もうEAの生産は今回限りでやめようかなと職人と協議に入っているところです。
(せっかく復元がんばったのに。)
まだどうなるかわかりませんが、今回の大量生産も厄介の連続で途方に暮れる職人を正直見てられません。
もしEAのご購入を予定されている場合は、大切に扱ってあげてくださいね。
■ マジシャンの凄いマジックを評価できるか?
最近のマジシャンの傾向についても、少しお話しておきましょう。
私事ですが、去年くらいから頻繁にテレビを見るようになり、たまたまマジック番組が放送されていることが何度かありました。
Twitterでもつぶやいたんですが、
冷静になって考えてみると、ヨーヨーとかケン玉とか自転車のアクロバットのプロってパフォーマンス自体が「すごい」と言われるのに対して、
マジックって「すごい」というよりも、「感動した」とか「全然わからない」とか「どうやったの?」とか。
ベクトルが違う方向へ、感情が動いている気がするんですよね。
ヨーヨーが上手かったら、「いっぱい練習したんだろうな」と思うけど、
マジシャンは涼しい顔して自己の技術力を隠しながら演じるから、悲しいかな、「わぁ、すごい!いっぱい練習したんだろうなぁ」とは思われない。
ダーティ・ワーク(タネの部分)は常に水面下で秘密裏に行われ、技術的な凄さは客に露出することはないから。
僕たちマジシャンが見せているのは、表の世界のみ。
言いたいこと、伝わってるかな。
それを、ヨーヨーとかケン玉とかみたいに、「いっぱい練習したの。マジシャンってすごいでしょ?」と自ら伝えに行くマジシャンが増えたなぁと。
じつは2010年くらいからこの前兆はあったんだけど、まさかこの流れが受け入れられる時代になるとは思わなかった。
僕はそのプレゼンを否定はしないし、「あぁ、これは新しい演じ方だなぁ」と思ったのですが、他のマジシャンがどう思っているか気になります。
ただひとつ言えることは、この最近のマジシャンの傾向を知っておくと、新しいユニークな台本が書けることは間違いないでしょう。
そうすれば、いままでの努力の結晶が、友人たちに伝わるかもしれません。
まぁ僕のように、「伝わったところで何?」という意見もあるでしょうがね。
僕は、努力を隠すタイプの人間なので、これまで通りサラッと演じて感動だけを与えたい。
さて、あなたは、どちらですか?
次回か次々回、ヒンバ―とEAに関するちょっとした重大発表がございますのでお楽しみに。