種明かしシリーズ第5回目の今回は、マジックの演技についてのお話です。
どんどん専門的な知識も増えてきて、個人的にも解説するのが楽しくなってきてワクワクしています。
この種明かしシリーズは、これからトランプマジックを学ぶ方のためのいわば“序章”に過ぎません。
これから本格的なトランプマジックを、何の障害もなく身につけていくための予備知識みたいなもんです。
トランプマジックは奥が深いし、1~10のうち、まだ1すらも教えることができていないのが現状ですが、今後も丁寧に解説していきますので、焦らず、ゆっくり学んでいってくださいね。
焦って変な入門DVDなんて買わないように。
YouTubeの種明かし動画なんて参考しないように。
残念ながら、初心者が本当に知らなければならない知識を解説したDVD・書籍は、日本には皆無です。
YouTubeなんて、もってのほか。
少しトランプマジックができる素人がたくさん種明かし動画を出したから登録者数が増えているだけです。
どうせそれは、正しいやり方じゃないから。
見せかけには騙されないようにしましょう。
覚えたところで決して人気者にはなれないよ。
ただマジックのタネを知ることができて、ただそれができるようになるだけ。
マジックで人を楽しませたいのなら、ウケる演じ方や心理学的な話術など、いろいろ考えて演じなければならないのです。
ですが、勘違いしないように。決して難しくはありません。
いまのマジック業界には、必要な知識を解説してくれる先生がいないから難しく感じるだけです。
あなたは今、正しい場所にいます。
まずはこの初心者向け種明かしシリーズで、トランプマジックの基礎を学習してください。
それでは、本日の内容に入っていきましょう。
種をバレにくくする、ミスディレクションとは?
「マジシャンはひとりで演技をしなければならないが、私はミス・ディレクションという助手を連れている。」
ジョン・ラムゼイ(1877-1962)
これは、1900年台初頭に活躍したジョン・ラムゼイ(1877-1962)というマジシャンのダジャレです。
マジックを演じる時、必要不可欠なものは何か?と、問われたら、すべてのマジシャンが口を揃えてこう答えるでしょう。
ミスディレクション
mis-direction・・・手品の種や本筋からそらすこと
素晴らしいマジックのタネは、いつだってシンプルです。
シンプルが故にマジックは誰にでもできるのですが、シンプルが故にタネがバレてしまうと、タネを知ったお客さんは決まってこう言います。
あーそーゆーことか。こんなの俺にでもできるよ。
そうならないために、話術や振る舞い、視線の動きを使い、客の視線を“見られてはいけない部分”から“見られてもいい部分”へと巧みに誘導するのが、ミスディレクションというテクニックなのです。
誰が言ったか、
「マジックを見る時は、マジシャンが動かしている手とは反対の手を見ろ。そうすれば、タネがわかるだろう。」
出典不明
とはよく言ったもので、一般人にも広く浸透しているこの名言はマジックの本質を上手く捉えていると言えます。
マジックとは、ごまかしのテクニックの連発です。
時には、客の視線を“見られてはいけない部分”から“見られてもいい部分”へと巧みに誘導しなければなりません。
それでは、まずは、ミスディレクションがどのようなものなのかいつものように動画のレクチャーからどうぞ。
1枚だけひっくり返って当てるトランプマジック種明かし
カード当てを行う時の客の動きを細分化すると、以下のステップになります。
- トランプを引く
- トランプを見る
- トランプを覚える
- トランプを戻す
重要なのは、客がトランプを確認して覚えているその瞬間です。
この時、マジシャンは客の目を見ながらすべての動作を行います。
お客さんの目の動きを確認しながら、トランプ一組をひっくり返す。
ついでにこんなことを喋りながら行なってください。
忘れないように、しっかり覚えてくださいね。
このセリフを、客の目を見ながら行うことで、そのシーンだけ、“ただの会話”が成立するのです。
人と話をするときは相手の目を見て話しなさい。
っていう小学校の時に教わったアレです。
「忘れないように、しっかり覚えてくださいね。」というセリフを言いながら、トランプ一組を堂々とひっくり返すためにも客の目線は完璧に逸らせなければなりません。
このトランプマジックでは、“客自身が引いたトランプ”に意識を向けさせるわけですが、たとえ客がすぐにトランプを覚え終わっても、上のセリフを喋ると、トランプを覚え終わった客が見るのは、トランプ一組ではなく、あなたの瞳です。
つまり、セリフはただの保険。
セリフがなくても、トランプを覚えることに一生懸命な客なら、トランプ一組をひっくり返すことも容易でしょう。
しかし、そんな都合の良い友人ばかりではないのが、現実です。
特に、アマチュアの場合は。
ですから、二重のミスディレクションをかけるのです。
1つ目は、トランプ。
2つ目は、セリフ(瞳)
客の意識を完璧に逸らしてこそ、このマジックは美しく機能します。
客に、少しでも「あれ?今なんかした・・・?」と疑われてしまうと、最後の見せ場を殺してしまうことになりかねないのです。
巧みに計算された美しい演技を心がけてください。
それでは、本日も最後までご覧頂きありがとうございました。
海田
マジックショップ「MAGIC SECRETS」の店長。
運営理念は、「“本当に使える”マジックしか販売しない。」
自らの商品をきっかけに初心者からプロマジシャンになった顧客が大勢いる。
小学生から高齢者まで、本気でマジックを学びたい方を徹底的にサポート中。
他では買えない価値のある商品を生み出すことに全力を注いでいる。
コメント
僕の名前は 野島優太です。
誕生日は 5月29日です。