昔むかし、一人の宇宙飛行士がいました。
人類で初めて宇宙に行った、ソ連の宇宙飛行士です。
彼の乗った宇宙船はとても大きなものだったけど、居住空間はとても小さかったそうな。
宇宙空間にたどり着いた時、彼は小窓から地球を見た。
人類で初めて、地球を外から見た。
「地球は、青かった。」

あまりに感動したもんだから、彼はしばらく時が経つのを忘れていたらしい。
そしたら急に、ダッシュボードからおかしな音が聞こえてきたんです。
コン。
コン。
コン。
コン。
コン。
静かな宇宙で。
たったひとりの空間で。
コン。
コン。
コン。
コン。
コン。
その音は鳴り続けるんです。
コン。
コン。
コン。
コン。
コン。
コントロールパネルを外して、道具を取り出し、どうにか音を止めようとしたけど、原因は全く分からない。
数時間も続くと、拷問のように思えてきた。
何日過ぎても、その音は一向に止まらない。
このまま続くと、彼は、その小さな音が自分を狂わせるだろうと確信した。
一体どうするべきなのか?
彼は、宇宙にいるんですよ。
真っ暗闇の中で、ひとりぼっち。
これから25日間も、この音と共に過ごすなんて。
気が狂ってしまいそうだ。
だから、彼は決めたんです。
「そうだ、この音を愛そう。」
(映画「アナザー・プラネット」より)
マジック・手品製品制作の難しさ。
ギミックを作るのは、想像以上に様々な問題が起こって大変です。
昨日解決した機能が今日は破綻するなんて、もうしょっちゅう。
1ヶ月間やってきた成果が水の泡になることも。
でも、やるからには最後までやり遂げるしかない。
「EA」の類似品なんて、販売された瞬間からもう終わってたようなものだから。
(すでにご存知のように)「EA」と同じエフェクトを起こせるギミックは数種類出回っているんですが、それら全てにおいて必ず言えることがあります。
見た目のデザインが、意味不明。
そして、ダサい。
つまり、どこからどう見ても、マジック道具にしか見えないということです。

どうせ、買ったんでしょ?

それがあれば、誰にでも出来るんでしょ?

ここに吹き出しテキストを入力

ねぇ、どうなの?
・・・。
反論の余地は、ありません。
「ご名答」と言わんばかりに言い訳を作り、その場から逃げるしかない。
残念なことに、現在市場に出回っている「EA」の類似品は、見た目が意味不明なデザインという理由から、疑われてしまう要素だらけだったのです。
しかし、「EA」は違います。

トランプをそのままカバンに入れておくと、角の部分がすぐダメになるので、こういった保護ケースに入れて持ち歩いてるんです。
と、そう言えば、納得してもらえるデザインになっています。
貸して?と言われても、「はい、どうぞ。」
他にも、類似品の欠点を挙げていけば切りがありません。
類似品では、そもそもカードケース自体が本物ではないので、演じる前からタネがバレバレ状態です。

そのトランプ、いつも使ってるのと違うね。
そう突っ込まれてしまうことも、しばしば。
見てる客は、本当によく見てるよなぁ。
せっかくギミック自体のアイディアは良いのに、作っているメーカーがそれを台無しにしている気がします。
僕が、早くどうにかしないと。
でも、ギミックを作るのは、想像以上に様々な問題が起こって大変なんです。
何個も何個も試作品を作らなければなりません。
決して思い通りには進まないし、商品の検証期間なんかも必要だから、そんなに頻繁に新商品を作ることは出来ません。
「EA」と「D6」なんて、本当は、去年の12月販売予定でしたからね(笑)。
どんだけ遅ぇんだよ、と。
おーい、もう梅雨入りしたけどー?
という内容のメールを1週間前にもいただきました。
楽しみにしていただいている方には、いつもいつもお待たせさせてしまい非常に申し訳ないんですが、待たせただけの代物にはなっているはずです。
今回の製作も、本当に問題ばかり起こって嫌だった。
きっと、これからもそうなんだろう。
でも、仕方ない。
それも愛そう。
そして、商品が完成したら、もっと愛そう。
僕は、自分の作った商品が嫁に行った時、涙を流せない経営者にはなりたくない。
海田


マジックショップ「MAGIC SECRETS」の店長。
運営理念は、「“本当に使える”マジックしか販売しない。」
自らの商品をきっかけに初心者からプロマジシャンになった顧客が大勢いる。
小学生から高齢者まで、本気でマジックを学びたい方を徹底的にサポート中。
他では買えない価値のある商品を生み出すことに全力を注いでいる。




コメント