広島に来てからの1年間は、火事の後処理や事務的な作業、在庫整理などに追われていた。
データが飛んだから、どれだけ在庫があるか、正確な数字もわからない。

大阪から持ち帰った書類の中に、職人さんが書いたであろうヒンバーやらEAやらのギミック製作ノートが見つかった。
燃えた部分と、そうでない部分。
途切れ途切れだけど、かろうじて読むことが出来る。

空白を補うのには、相当な月日を要するだろう。
ページをめくっていくと、1枚の写真が落ちてきた。

そしてまた僕は昔話を、ひとつ思い出すことになる。
パーティで、マジシャンとマジック対決?

あれはたしか、なにかのパーティでマジックを披露した時のこと。
もう幾度となく見た一発芸や、同じようなコントが繰り広げられていた。
僕は、マジック。
そして、僕とは別に、もう一人マジックをする人がいた。

彼は、難易度の高いマジックを披露していた。
そうだなぁ、たとえば、
- Shin Limのなんとかっていうマジックとか、
- Yoannのなんとかっていうマジックとか、
- Dan and Daveのなんとかっていうマジックとか。
全く覚えてないけど、難易度クラスは、それくらい。
まぁ、すごかった。
というか、上手かった。
きっと一日中トランプを触ってるんだろうなぁって。
でも、自慢じゃないが、僕が演じた時のほうが客の反応は圧倒的に良かった。

彼も、それに気づいていた。
だから、僕はこんなことを言った。

今日は、ダブルリフトしか使わなかったわー。
意地悪な僕は、それ以上は教えてあげない。

君のマジックは、つまらない。
なんて、言えなかった。
なぜつまらなかったか、を説けば、次は彼と良い勝負が出来ただろう。
しかし、そのアドバイスは無料の範疇を超える。
僕が築き上げた「ウケるマジック」の条件、それに要した時間は10年以上だ。
自分が長年温めてきた宝物をタダで教えるなんてことはできない。
しかも、自分のいるフィールドでなんて、もってのほか。
敵は、作らない。
僕の、ひとり勝ちだ。
いつもそう。
だからいま、敵にはならないあなたに、こう説いている。

客が楽しめるマジックを演じなさい。
そして、その全ては、一切出し惜しみすることなく「スマイル」の中に詰め込んだ。
ウケるマジックに、重要なたった一つの事とは?

マジックは、テクニックを磨くだけじゃダメ。
それを知らないのが問題だし、それを指摘してくれる人がいないのも問題だ。
だから、95%のマジシャンは二流で終わる。
残りの5%の世界を教えようか。
誰かに会った瞬間、「なにかやってよ」と求められられることは言わずもがな。
新しいテクニックを学ぶよりも、むしろ新しいプレゼンやギャグを考案することに全力を注ぐ。
そうせずにはいられないから。
ほんの少しでも客をクスッとさせればいいんだ。

もし今のあなたの演技に客を笑わせる要素が1mmもないのなら、マジシャン専用ギャグ55選「スマイル」を是非お試しいただきたい。
友人たちのあなたを見る目が変わる。

(あれ? コイツって、こんな面白かったっけ?)
僕は今日もまた、日本にひとり、人を楽しませることの出来るマジシャンを増やした。
是非、明日から使ってみてほしい。



マジックショップ「MAGIC SECRETS」の店長。
運営理念は、「“本当に使える”マジックしか販売しない。」
自らの商品をきっかけに初心者からプロマジシャンになった顧客が大勢いる。
小学生から高齢者まで、本気でマジックを学びたい方を徹底的にサポート中。
他では買えない価値のある商品を生み出すことに全力を注いでいる。




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