今日は前回の続き【後編】です。
前回の記事をまだ読んでない場合は、まずは以下より【前編】をお読みください。

3.お客さんを楽しませるための演技力

結論から言うと、とても大切です。
マジックは、マジシャンが「どうだろ~、すごいだろ~」と、見せるものではありません。
強制的に見せるものでもありません。
(前回からお伝えしていますが)マジックはエンターテイメントなのです。
お客さんを楽しませないと意味がない。
それはフツーにマジックを演じるだけでは絶対に成り立ちません。
もしあなたが英語ができるなら是非見ていただきたいのですが、外国の有名マジシャンの演技は本当にお客さんを楽しませます。

それはもちろんアメリカなんかじゃ、マジックがビジネスとして確立しているからなんですが、なんていうか、日本人のプロマジシャンにはない演技をしているんです。
一体それはなんでしょう?
答えは“プレゼンテーション”。

海外の有名マジシャンはマジックの演技をする前にそのマジックを演じる前になにかしら理由をつけて演じたり、ペラペラと背景知識を喋りながら演じてみたり、そのマジックの考案者なんかを分かりやすく説明してみたり。
ただマジックを演じているだけじゃないんです。
そんなひどいマジックをするのは日本人の種明かしYouTuberくらいです。
面白いマジックを見せてくれるマジシャンは、セリフを考えて考えて考えまくって、お客さんを楽しませようと全力でマジックをしています。
その心・サービス精神みたいなものが、とにかく大切です。

もし、あなたが手品の本だったり、マジックDVDだったりといった教材を買って勉強したとします。
そして、それらの中でとても丁寧にマジックが解説されていたとします。
でも、いざ演じてみると、あまり上手くいかない・・・。
「タネ分かった!」と言われるし「なんで演技の前にシャッフルしちゃダメなの?」って言われるし・・・
そんなことになるのは、お客さんがあなたのマジックを楽しもうと思って見ていないからなんです。
じゃあ、お客さんを楽しませるためにはどうしたら良いのか?

タネを見破ろうと思いながらマジックを見る多くの日本人・・・
まずはその考えを変えてあげるための演技をしなければなりません。
つまり、次回から“あなたの演じるマジックを純粋に楽しもう”と思わせるための演技。
これを完璧に仕掛ければ、あなたのマジックを見る人はタネを見破ろうとするのではなく、自然と楽しむようになります。
それができれば、いつマジックを演じても、どんなに下手クソな演技をしても、あなたの友人たちは楽しんでくれるようになります。
タネの見破りゲームがマジックではありません。
マジックは
“どれだけお客さんを楽しませることができるのか”
ということがとても大事なのです。
4.各マジックに適した演出力

最後に演出力について少し。
演出力とは、演技力とは微妙に違うのですが、簡単に言えば、“そのマジックを華やかにするためのもの”であると、個人的には思います。
これはもちろん小道具や照明なんかじゃありません。
う~ん・・・、表現しづらいのですが、だいたいは“言葉”です。
あ、そうだ。
海外のマジシャンは演技の前のプレゼンを大切にするって先ほど言いましたよね。
それがあるかないかじゃ、演技のウケが全く違ってくるんですよ、ほんと。
例えば、こんなのがありました。
コインマジックの中に「コインマトリックス」という名の付いたコインがトランプの下で消えて移動するマジック(の種類)があるのですが、それを演じるときに、あるマジシャンがこんなことを言いながらマジックをはじめていました。
「マトリックス」という映画を知ってるかい?キアヌ・リーブス主演のとてもおもしろい映画だ。
VFXも芸術的だけど、なによりストーリーがおもしろい。
例えばここに4枚のカードがあるんだけど、使うのはそれじゃなくなくて、ほんの少しの想像力。
想像してみなよ。
これが何だか想像することができれば、現実でも作り出すことができるんだ。
(「Coin Ovations with Reed McClintock DVD」より)
そう言って彼は指をパチンと鳴らして4枚のコインを出現させるのです。

とまぁこんな風に、ただマジックをするのではなく、演技の前に、お客さんがそのマジックに集中するようにちょっとした導入話術を取り入れるんです。
実はこれがけっこう大事で、おそらくほとんどの人はそういう演技をしていない。
ただ、なんとなく、いきなりマジックを演じて、終わり。
こんなのが多いんです。

特にYouTubeでマジックを学んだ人は、そんな不毛な演技をする人が多い印象です。
でも、仕方ないですよ、そういう深い話までは解説してくれるチャンネルはないですし、なにより動画の解説者ですら理解していないことがほとんどですから。
結果的に、“客を楽しませることができないマジシャン”に育ってしまうのです。
これからマジックを学ぶあなたはそういうことも考えながらマジックを習得すると、マジックの見方が他の人より変わると思います。

少なくとも、演技的・演出的な失敗はしないはずです。
ちなみにですが、僕が言う、“失敗するマジック”の定義は色々あって一概には言えませんが、マジックをし終わった後に

あ、そのタネ知ってる!

ふ~ん、すごいね。それで?

そのマジック、前に友達がやってた!

今2枚めくったでしょ?さっきタネ見えたよ
などと言われる“お客さんに主導権を握られるマジック”は、“失敗”だと思います。
「次からもっとスリムな内容にします。」と言っていても、伝えたいことが多すぎて長くなってしまうのですが、そんなわけで、マジックを成功させるには、演技力と演出力が極めて重要であることがおわかりいただけましたでしょうか?
なんとなーくでも良いので、吸収していただければなと思います。
ではでは、今回はこの辺で。
海田

マジックショップ「MAGIC SECRETS」の店長。
運営理念は、「“本当に使える”マジックしか販売しない。」
自らの商品をきっかけに初心者からプロマジシャンになった顧客が大勢いる。
小学生から高齢者まで、本気でマジックを学びたい方を徹底的にサポート中。
他では買えない価値のある商品を生み出すことに全力を注いでいる。




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