実は僕は、わりと手がカサカサしているほうで、特に冬はそのカサカサ現象がひどくなります。
あかぎれが起きて、見た目も悪くなったりして。
おそらくブログ読者様の中にも同様の方は多いでしょう。
もしかしたら、

若い頃はこんなに乾燥しなかったのになぁ
なんて、老いを感じている方もおられるかもしれません。
いつも乾燥しているのなら、全く問題はない。
乾燥している自分の手に慣れればいいだけの話ですから。
最も厄介なのは、練習のときと本番のときで手の湿り具合が違うことです。
ようするに、何が問題か。
練習しているときは全然汗をかかないのに、本番では汗をかく。
つまり、何気ない日常の練習時は乾燥しているのに、本番で緊張してしまい、手が湿る。
居酒屋などでマジックをする際、グラスの水滴のせいで、手が湿る。
そうなると、調子狂いますよね。
例えばクラシックパームのコインが汗で滑りそうになったり、ただでさえ滑りがいいカードが乾燥のせいでさらに滑ったり。
練習通りじゃないと、脳は混乱するんです。
手の状態が少しでも違うと、(あれ?なんか変だぞ)ってね。
もしかすると演技時の緊張は、そのせいで起こるのではないか?
と、最近の僕は考えるようになりました。
緊張で手が湿るのか、手が湿るから緊張するのか。
まるで、終わりのない「ニワトリが先か、卵が先か論争」のようですね。
(ちなみに、僕はニワトリ派です。)
- カードを触った瞬間に、練習通りの手の状態じゃないことに気付く。
- 練習通りの演技ができないかもしれない、と恐怖する。
- 焦る。
- なんとか成功する(もしくは、失敗する)。
とまぁ、こんな感じ。
せっかく練習したんだから、“なんとか”成功するのではなく、“確実に”成功したい。
だから、手のコンディションは常に気にかけておくべきなのです。
プロマジシャンの中には、わざわざ皮膚科の先生に処方されたハンドクリームを使っている方も多いようです。
そこまでしろとは言いません。
僕はメンソレータムのハンドクリームを使っています。
(薬局で500円くらい)

夜寝る前に、手の甲だけに塗るのではなく、手のひらにも塗るのです。
そして、睡眠用の手袋をして寝ています。
ベタベタするから、昼間(手袋ができないとき)はもちろん塗らないですよ。
そして、もちろんですが、1日じゃ劇的な効果は表れないです。
しかし、1週間も経つと、なんだか手が潤っていることを実感します。
夜寝るときだけ塗って、朝になって手を洗い流したとしても、昼間にしっかり効果は表れます。
あ、なんか最近カードが扱いやすくなってきたな。
そう感じることでしょう。
客は、あなたの手が創り出す幻想の世界を見て楽しみます。
- もし、あなたの手が汚かったら?
- 手がカサカサであかぎれになっていたら?
- 爪が長く、不潔な印象を与えてしまったら?
- 傷だらけで絆創膏だらけだったら?
汚れている水槽の中に美しい熱帯魚が優雅に泳いでいたとしても、誰も感動するどころか、水槽の汚さに目を奪われることになります。
マジックが上手い人は、手がキレイなのです。
だから、客は純粋にマジックだけを楽しむことができる。

そして、キレイな手なんて、客は誰も見ないんです。
でも、それでいい。
見て欲しいのは、マジックだから。
自然にマジックだけに集中できるか、余計なものに目を奪われるか。
あなたのマジックは、一体どちらなのでしょう。
海田


マジックショップ「MAGIC SECRETS」の店長。
運営理念は、「“本当に使える”マジックしか販売しない。」
自らの商品をきっかけに初心者からプロマジシャンになった顧客が大勢いる。
小学生から高齢者まで、本気でマジックを学びたい方を徹底的にサポート中。
他では買えない価値のある商品を生み出すことに全力を注いでいる。
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