こんにちは、海田です。
この記事では、マジックを演じる時に使える、たとえ話(例え話)について解説しています。
お客さんをあなたのマジックの世界にグイグイ引き込むスパイスとなる演出法ですので、ぜひ取り入れていただき、あなたのマジックをもっとすごいものにしてください。
上手いマジシャンだけが使っている、たとえばなし
マジックを演じる時、僕はよく、たとえ話をします。
たとえ話ってのはアレですね、こんなやつです。
「結婚をしばしば宝くじにたとえるが、それは誤りだ。宝くじなら当たることもあるのだから。」
バーナード・ショー(アイルランドの劇作家)
バーナードよ、一体何があったんだ?と突っ込みたくなる一節ですが、(たとえは悪いにしても)たとえ話とはこういうものです。
たとえば、トランプマジックで使うバイシクルのジョーカーって自転車に乗っていますよね。
アンビシャスカードをジョーカーで演じて、「自転車で頑張ってこいできたんです」って言えば、会話が盛り上がりますし、面白いトランプマジックに仕上がります。
演技をわかりやすくするために、お客がマジックに入り込むのを容易にするために、演技中、僕はたとえ話を多用せざるを得ないわけです。
演じているのは、ただのアンビシャスカード。
やっていることは、ダブルリフトの連続です。
きっとこれほど使い古された技法もないでしょう。
しかし、ちょっとした工夫をするだけで全く別の“初めて見るマジック”になってしまうほど強烈な印象を相手に与えてしまう言葉の魔力。
それが、たとえ話です。
だからあなたもマジックの演技では、たとえ話を使って演技を面白くしましょうという、ありきたりでしょーもない記事を書いているわけではありません。
僕が言いたいのは、適切(最適)なたとえ話を選ぶ能力を身に付けていただきたいということです。
たとえ話は、相手を選ぶ。
たとえ話を使ってはいけない状況が存在します。
そのたとえが、相手に認知されていない場合です。
たとえば、「水と油」という有名なトランプマジックを演じる時、ほとんどの子どもは「水と油が混ざらない」なんて概念知っているはずがないので、水と油のたとえ話など全く使い物になりません。
子ども相手に、トランプを水と油にたとえようものなら、こんな悲惨な結果を経験する羽目になるでしょう。
たとえばさ、水と油って混ざらないでしょ?
え? 水と油?
混ざらない?
どーゆーこと? え?
・・・
たとえ話は、演じる相手を選ぶのです。
適切な相手に、最適なたとえ話をしなければ、最大の効果を発揮しない、とても厄介な存在です。
しかし、適切な相手に、最適なたとえ話をするならば、これほど効果絶大なプレゼンテーションはない、とも言えます。
マジシャン(あなた)にとって、適切・最適とは?
アマチュア・マジシャンにとってのベストなたとえ方は、どんな手法なのか?
僕は、以前の記事で書いたパソコンオタクのような演じ方が最も良いと、個人的に思っています。
実は、この名刺入れ、大阪とWi-Fiで繋がっとるけん、今から名刺をダウンロードすんね。
ダウンロードは簡単にできるけど、物質化するのに36時間と14分54秒くらいかかるけん、ちょっと待ってねー!
この人はパソコンオタクだから、“無線LAN”や“ダウンロード”という表現を使おう。
この分析能力のおかげで、たとえ話が生きるのです。
お客さんがいつも以上にマジックに入り込んでくれるのです。
演出は、いつだって、生かすも殺すもあなた次第だ。
その人の趣味に合わせてたとえ話を作れるのは、すでにマジックを演じる相手(友人)が決まっているアマチュア・マジシャンにしかできません。
最もベストなたとえ話で、あなたのマジックを最高のエンターテイメントにしていただければと思います。
マジックショップ「MAGIC SECRETS」の店長。
運営理念は、「“本当に使える”マジックしか販売しない。」
自らの商品をきっかけに初心者からプロマジシャンになった顧客が大勢いる。
小学生から高齢者まで、本気でマジックを学びたい方を徹底的にサポート中。
他では買えない価値のある商品を生み出すことに全力を注いでいる。
コメント